画面に不要な印(1)

画面に不要な印(1)

東隅書生  

基本は買わない画幅だが、亀田鵬斎の賛がついていたので得てみた。

松竹梅の画なので正月向けなのかもしれないが、旧正月向けに使おうか。だが、ここではあまり関係ない話だろう。

亀田鵬斎の上梓された詩文集には掲載の無いものと思われる。熱心に探した訳ではないのだが、目にとまらなかった。もとより全部の作が記録されている訳は無いだろう。著録が無いといって、偽作とはならない。筆蹟もこんな風である。


一応、獲得の記録として掲載しておくだろう。亀田鵬斎の住まいは善補楽工房とは近所であるのでご近所さんのよしみで、得られるものは得るようにしているが、偽筆も多く、価格も高いのがうまくない。熱烈な収集家がいるのだろうか。収集家の渥美氏は既に亡くなったが、亀田鵬斎存命以来、市場価値は他の儒者文人漢詩人と比較しても人気があって、なかなか安価では得られない。しかしこの画幅は亀田鵬斎の賛のあることを言わなかったので得られたものと思われる。善哉というべきか。 つづく(「東隅随筆」565号より著者の承諾を得て転載=画像も)

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