【諸乗法数】16-5
【諸乗法数】16-5
四門十六遊増地獄
註 十六小地獄ともいう。経典によって異同があるが、これは『長阿含経』(巻十九地獄品)による。等活地獄(『倶舎論』では八大地獄)の四方にそれぞれ四つの地獄が設定されている。
後漢の安世高の訳した『十八泥梨経』では十八となっているが、最も人口に膾炙しているのは『倶舎論』所出のものである。
仏教の元は釋迦の教えであり、釋迦自身は地獄の存在やどのような所かを説かれたかどうかは不明。というのも、自身では著述として教えや考えを書き残しておらず、弟子やそのまた弟子らが教えを伝え、やがて文字化されていったためで、文字化された経典も時代が下がるほど地獄についての説明が詳しくなり、地獄に堕ちることがないようにひたすら精進し戒律を守ることが僧院内だけでなく、世間一般にも浸透していった。説明が詳しいほど現実的な感じがするものだが、釋迦の教えたる仏教としては、地獄思想はあとから発達したものということになろう。信仰は学問とは別として、地獄も厳然として存在する、ということになろうが。
※図はこちら→ https://note.com/11111hiromorinn/n/n947c37a22e82
0コメント