【諸乗法数】10-63
【諸乗法数】10-63
華嚴十玄門
大疏
同時具足相應 海一滴具百川味
廣狹同在無碍 一尺鏡見千里影
一多相容不同 一室千燈光・滅
諸法相即自在 門如 金與金色不相捨離
秘密隠顯俱成 秋空片月晦明相生
微細相容安立 瑠璃甁盛一多果實
因陀羅網境界 两鏡互明傳影寫
託事顯法生解 擎拳堅臂觸目皆道
十世隔法異成 反之夢朝知百年
主伴圓明其德 比辰所居衆星拱
註 華厳教学の根幹をなす十玄門を解説したもの。智儼が註したものは古十玄といい、大疏にて澄観が解したものは新十玄という。これは新十玄。
同時具足相応門 一の現象は同時起こる。あたかも百川が流れ込む海の如きもの。
広狭自在無碍門 互いに矛盾するものは実は圓融無碍である。これは小さな鏡がはるか遠方の姿まで映す如きもの。
一多相応不同門 一の中に、また多多の中に一が存在する。あたかも一室に千もの燈火が輝いている如きもの。
諸法相即自在門 空と有は本来一体のものであり別のものでもある。あたかも金と金色は同じであるが実体は異なる如きもの。
秘密(原典では隠密)隠顕(原典では顕了)俱成門 一切の縁起は隠と顕相互が一体化して起こる。あたかも秋空の片月が晦明する如きもの。
微細相容安立門 縁起は小が大に入り一が多になる。あたかも瑠璃の甁に(この所版から読み取り難いので原典から補う)芥子の実を入れる如きもの。
因陀羅網境界門 森羅万象は因陀羅網(帝釋宮中に張り巡らされている宝網)の如く重なり逢う事によって生じる。あたかも二枚の鏡が影を伝え合う如きもの。
託事顕法生解門 神妙の真如は実は卑近な所に存在する。あたかも拳を擎げ臂に触れるものに真実がある如きもの。
十世隔法異成門 十世というはるかな時間の流れ隔てはあっても前後長短は同時に存在する。あたかも夢の中で百年もの長い時を体験する事がある如きもの。
主伴圓明具徳門 縁起の諸現象は主がありその主に他の諸現象が伴う。あたかも北辰に衆星が従う如きもの。
大疏巻十に見える。
※図はこちら→ https://note.com/11111hiromorinn/n/naa7d5ff58aad
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