【諸乗法数】10-57
【諸乗法数】10-57
佛十宿業
孫陀利謗
奢弥跋謗
惠頭痛
骨節煩痛
患背痛
木槍刺脚
提婆擲石
旃婆女謗
食馬麦
苦行六年
註。十宿縁ともいう。釋迦が遭遇した九の苦難(九横)に苦行六年を加えたもの。舎利弗がその原因を尋ねた折に釋迦が全て前世の宿業の報いと答え解説した。『興起行経』(二巻。後漢の康祥訳)に見える。
孫陀利謗縁 釋迦の名声を妬んだ外道が孫陀利という女が釋迦と通じていると噂を立て、然もそれを殺し釋迦を犯人と仕立て上げようとした一件の原因。釋迦の前世で通じていた女との宿縁の報いとする。
奢彌跋謗縁 外道である奢彌跋に誹謗されたのは前世で、この奢彌跋の妻と通じた報いと説明した。
患(惠の字に見える)頭痛縁 前世で童だった時に魚を取り、棒でその頭を叩いた報いと説明した。
骨節頻疼縁 前世で医者であった時に金の無い者に投藥しなかった報いと説明した。
患背痛縁 前世で力士だった時八百長をして負けてやった事の報いと説明した。
木槍刺脚縁 足の痛みに悩むのは前世で商人だった時に仲間と財貨を争い、その仲間の足を木の槍で刺した報いだと説明した。
提婆擲石(原典では被擲石出血縁) 釋迦の名声を妬んだ提婆達多が石を転がして殺害しようとしたのは、前世で兄弟で父の遺産を争い弟に石を投げつけて殺そうとした報いと説明した。
旃婆女謗(原典では旃沙系盂謗縁) 釋迦に恋情を抱いた女が恋情のあまり偽って釋迦の子を孕んだと謗ったのは、前世で私通した女を捨てた報いだと説明した。
食馬麦縁 托鉢しても食を得られず馬粮を食す羽目になったのは、前世で長者だった時に美食に耽り施しをしなかった報いと説明した。
苦行六年(原典では佛經苦行縁) 前世で出家者に罵詈雜言を浴びせた報いと説明した。
『興起行経』はこの十縁を一品ずつ詳細に解説している。
『法華経』には別の十宿業が説かれている。
※図はこちら→ https://note.com/11111hiromorinn/n/n7359e4a078ac
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