【諸乗法数】9-17
【諸乗法数】9-17
九喩如來藏
(寶)積(經)
花萎佛身・貪使
岩峯淳蜜・嗔使
糠糟粳米・痴使
糞穢眞金・増上貪
貧家寶藏・根本無明
菴羅内實・見惑
弊衣金像・依惑
貧女貴胎・不淨地垢
焦模鑄像・淨地垢
註 如来蔵とは、人の中にある如来となる事の出来る可能性のこと。それを九種に分けて譬えた。
花萎佛身・貪使 萎んだ蓮華の中に佛が居ますが如きもの。萎んだままにしか見えぬのは貪に捉われているため。
岩峯淳蜜・嗔(瞋)使 峻険な岩山に蜜がある事を知っているが、その蜜は蜂が集めた事を知らぬのは瞋に捉われているため。
糠糟粳米・痴使 穀物を食す事を知っていても、それを精白する事を知らぬのは痴に捉われているため。
糞穢真金・増上貪 黄金が穢れの中にあり、その質を変えぬ事を知っても用いる事をしないのは増上貪に捉われているため。
貧家宝蔵・根本無明 貧乏に見えても実は宝蔵を有しているのに用いる事が出来ないのは、根本的に無明に捉われているため。
菴羅内実・見惑 菴羅果(マンゴーといわれている)を食しても種を捨てる。捨てずに蒔けばやがて大樹となる事を知らないのは見惑に捉われているため。
弊衣金像・依惑 黄金の佛像がぼろ切れに包まれていて尊い物として礼拝(らいはい)する事をしないのは依惑に捉われているため。
貧女貴胎・不浄地垢(所の誤り) 貧女が懐胎し、その子がやがて転輪聖王となる事を知らぬのは、不浄の地にいると雖も煩悩を消す事が可能である事を知らぬため。
焦模鋳像・浄地垢(所の誤り) 聖像を鋳造する際に鋳型は焼け焦げているが、中に聖なる物を蔵しているのは浄地にあるため。
出典は「積」とあるのみゆえ『故宝積経』と思い調べたが見えない。真の出典は『大方広如来蔵経』(一巻、東晉の佛陀跋羅陀訳と唐の不空訳の二本がある。大正蔵十六冊所収) 。しかし、下についている短い解説も無い。これがあるために却って理解を妨げる向きがある。
※図はこちら→ https://note.com/11111hiromorinn/n/n0c8d5af1619e
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