【諸乗法数】6-40

【諸乗法数】6-40

六相 

華嚴 


總    一即具多名總相

別    多即非一是別相

同 頌曰 多類自固成於固

異    各體別異現於同

成    一多縁起現妙成

壞    壞住自法常不作


註 華嚴思想の法界観の法門。六種類ある。凡夫衆生にはそれぞれ別の相に見えるが、佛の目には互いに円融して見えるという。一種の弁証法に基づく。

頌の内容は各相の解説。

総相 一事が全体の理を示すので総相という。

別相 各々の相はそれぞれ独立しているので別相という。

同相 物事は不同のように見えるが、実は一事の理を示すので同相という。

異相 同じように見えるが、結果的に異なるので異相という。

成相 物事は異なるように見えるが、結論からすると一具となるので成相という。

壊相 一具成就と見えるが、ついには互いに違破するので壊相という。


贅言

・外典(漢籍)で六相というと(漢籍では読み習わしとして「りくそう」)、黄帝を補佐して上下四方を分掌する六人の家臣のこと。蚩尤(しゆう)・大常・奢龍・祝融・大封・后土の六人を指す。『管子』五行に見える。

・華厳は面白いが難解。哲学としての佛教においては最高峰といえる。華厳に比すれば「法華」や「淨土」は信仰として発達してきた性格上、哲学としては弱い点は否めない。それゆえ華厳は庶民には広まらなかったのでしょうが。

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