封面いろいろ[5]
封面いろいろ[5]
明治も中頃になると洋装本が主流となったが、和本を踏襲する部分もあった。その最たるものが内表紙。表紙を開くと出てくる書名を記したページだが、この内表紙のスタイルが和本の封面と変わらないものがわざわざ使われた。しかも、活字ではなく毛筆で記されている。
現在も内表紙はあるが、そっけないものばかりである。高価な書物や、著者のこだわりのある書物には毛筆で書名を大きく記したものも見かけるが、風前の灯火状態である。
連日、物議を醸し続けている通史を名乗る書物の内表紙はどうなっているか、未見でわからないが、著者は伝統文化を大切にし、日本の歴史はとてもすばらしいと礼賛しておられるから、さぞ古風な封面スタイルを採られていることだろう。(今回は大森が担当しました)
この項以上
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