政談416

【荻生徂徠『政談』】416

 ●出家の公事の事

 出家ほど公事を好む者はない。死罪になる気づかいがないからである。妻子といった足手まといがない。元来、住所を定めない者であるから、追放を悲しむこともない。法問・論議に慣れて、理屈に強くいくら論駁されても感情的にならず冷静でいられる。しかし、いくら出家の公事を裁いても、それが国家を治める上で裨益するものではない。かといって粗略に裁いても害になることもない。詮無いことである。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。