政談338

【荻生徂徠『政談』】338

(承前) 伺いというのは、二つ三つある中から、いずれにすればよいかを頭(かしら)に伺うことである。一つしかないものについては自分の心で決断して行い、事後に頭へ届け出る。しかるに若輩で初めての者は慣れておらず、自分では決断できないために何事につけても伺うくせがつき、今は一つに決まっていることでも伺わせて、伺わないと咎めることが多い。このように人を使うため、何もかも上に寄りかかり、自分の考えを働かせることがないために人々は阿呆になり、身を入れて勤めることをしない。


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