1945年8月5日

1945年8月5日　昭和20年

【内　閣】

総理　鈴木貫太郎／外務　東郷茂徳／内務　安倍源基／大蔵　広瀬豊作／陸軍　阿南惟幾／海軍　米内光政／司法　松阪広政／文部　太田耕造／農商　石黒忠篤／軍需　豊田貞次郎／運輸　小日山直登／大東亜　東郷茂徳（外相兼任）／厚生　岡田忠彦／国務　桜井兵五郎／国務　左近司政三・国務（情報局総裁）・下村宏・安井藤治／内閣書記官長　迫水久常／法制局長官　村瀬直養

【宮中主要官】

内大臣　木戸幸一／宮内大臣　石渡荘太郎／枢密院議長　平沼騏一郎／枢密院副議長　清水澄

【軍部高官】

［陸　軍］

陸軍次官　富永恭次／軍務局長　吉積正雄／参謀総長　梅津美治郎／参謀次長　河辺虎四郎／教育総監　土肥原賢二

［海　軍］

海軍次官　多田武雄／軍令部総長　豊田副武

【植民地高官】

朝鮮総督　阿部信行／台湾総督　安藤利吉／関東長官　山田乙三／樺太庁長官　大津敏男／南洋庁長官　細菅戊子郎

【東京都長官】

西尾壽造

【首　長】

大阪府知事　新居善太郎／大阪市長　坂間棟治／京都府知事　三好重夫／京都市長　篠原英太郎／北海道庁長官　熊谷憲一／青森県知事　金井元／岩手県知事　宮田為益／秋田県知事　久安博忠／宮城県知事　生悦住求馬／山形県知事　 篠山千之／福島県知事　石井政一／茨城県知事　橋本政実 ／栃木県知事　相馬敏夫／群馬県知事　高橋敏雄／千葉県知事　 斎藤亮／埼玉県知事　福本柳一 ／神奈川県知事　藤原孝夫／山梨県知事　谷川昇／新潟県知事　畠田昌福／富山県知事　岡本茂／石川県知事　平井章／福井県知事　宮田笑内／長野県知事　大坪保雄／静岡県知事　 菊池盛登／愛知県知事　古井喜實／岐阜県知事　沖野悟／滋賀県知事　稲田周一／奈良県知事　小田成就／三重県知事　清水重夫／和歌山県知事　小林千秋／兵庫県知事　持永義夫／岡山県知事　小泉梧郎／広島県知事　高野源進／山口県知事　上田誠一／鳥取県知事　高橋庸弥／島根県知事　山田武雄／香川県知事　田中省吾／徳島県知事　岡田包義／愛媛県知事　土肥米之／高知県知事　栗原美能留／福岡県知事　山田俊介 ／佐賀県知事　宮崎謙太／長崎県知事　永野若松／大分県知事　中村元治／宮崎県知事　安中忠雄 ／熊本県知事　曽我梶松／鹿児島県知事　柘植文雄／沖縄県知事　(不在)

前橋・高崎空襲。B29爆撃機92機が前橋市・高崎市を空襲。死傷者1323人。

中央本線の湯の花トンネルを通過をしようとした満員の列車に米軍のP-51戦闘機複数機が機銃掃射。死者50人以上。

　湯の花トンネル列車銃撃事件は、第二次世界大戦末期の1945年8月5日正午過ぎに東京都南多摩郡浅川町（現、八王子市裏高尾町）内の国鉄中央本線、湯の花トンネルでアメリカ軍のP-51戦闘機複数機が満員状態の列車に対して執拗な機銃掃射を加え、多数の死傷者が発生した事件。

事件の概略

新宿発長野行きの下り419列車は、午前10時10分に新宿駅を出発する電気機関車ED16形7号機が牽引する8両編成であった。この列車には軍関係者が乗車する二等車と荷物車も連結されていたが、富士演習場に向かう19名だけで殆どが非戦闘員の一般乗客であった。8月5日に全面開通したこの日2本目の列車であり、また八王子駅で419列車が出発する前の列車が発車しなかったため大変な混雑だったとされていた。419列車は八王子駅が八王子空襲により焼失していたこと、単線区間での列車交換に手間取ったことなどの事情があり、浅川駅（現在の高尾駅）を1時間遅れの午後0時15分に出発した。この時点ではすでに空襲警報が発令中であったが、停車中に乗客から「早く出せ」と怒声が飛んでいたこと、更なる遅延を回避するためや、湯の花トンネル、小仏トンネルに入った方が安全と考えたため駅員や乗務員は発車させたものと見られている。その後、419列車は第一浅川橋梁を通過した後、湯の花トンネルの手前で、進行方向左側の太平洋側から飛来したアメリカ軍のP-51戦闘機複数機（2機もしくは3機のいずれかだったと言われている）に捕捉され、機銃掃射と23センチロケット弾の攻撃を受けた。ロケット弾は外れたが、機関車と1両目は特に激しく攻撃され、トンネルに2両目の半分程が入ったところで列車が停止した。この措置はトンネルから出ていた車両が反復して機銃掃射に晒される結果となったため、犠牲者を増加させることとなった。犠牲者の数については、国鉄の資料によると49名となっているが、慰霊碑では52名以上（氏名判明のみ）としている。また、事件の慰霊会は65名以上が犠牲になったとしている。負傷者は130名以上であったと言われているが、戦時体制下のため、当時の正確な記録が残されていないという。この列車には筑摩書房創業者の古田晁が乗っており、古田が車内で目を通していた原稿用紙に、近くにいた人物から吹き出した血が付着した。この「血染めの原稿用紙」は現在、塩尻市にある市立古田晁記念館に展示されている。なお、419列車は送電線が機銃掃射で切断されたため、蒸気機関車に牽引されて浅川駅へ回送され、この事件によって不通となった中央本線は当日夕方までに送電線の再接続を完了し、全面復旧した。

スペインのフランコ、ポツダム宣言非難。

宋子文国民政府首相（－15）王世杰外相（－16）訪ソ。

［第２１爆撃機集団任務要約］

任務番号第３１１号

　日時 １９４５年８月５－６日

　目標 羅津、Geijitsu、境、米子、中海、宮津、舞鶴、敦賀、小浜

　参加部隊 第３１３爆撃団

　出撃機数 ３０機

　第一目標爆撃機数 ９０％（第一目標２７機、代替目標１機）

　投下弾種類、設定 １０００ポンド、２０００ポンド機雷：各種設定

　投下弾トン数 第一目標１７５．５トン

　代替目標６トン

　第一目標投弾時刻 ５日２２時３２分－６日１時３２分

　攻撃高度 ７５００－８６００フィート

　目標上空天候 雲量：快晴

　損失機数 ０

　任務概要 目標地域に投じられた２５３発中２５１発が有効と思われた。２機は爆撃不能。１機が目視で投下。羅津の対空砲火は中口径で正確かつ強烈。徳山で並で不正確から正確だった。２０－２５基のA/Lを観測。敵機１機を目撃、１回の攻撃を受けた。１１機が硫黄島に着陸した。

　平均爆弾搭載量：１３０６４ポンド

　平均燃料残量：６０５ガロン

任務番号第３１２号

　日時 １９４５年８月５－６日

　目標 佐賀都市地域

　参加部隊 第５８爆撃団

　出撃機数 ６５機

　第一目標爆撃機数 ９６．９２％（６３機）

　投下弾種類、設定 M-19　５００ポンド焼夷集束弾：目標上空５０００フィートで散開

　T4E4　５００ポンド破砕集束弾：機下３０００フィートで散開

　M64　５００ポンド通常爆弾：各種頭部、未遅動底部信管付

　投下弾トン数 ４５８．９トン

　第一目標投弾時刻 ５日２３時４１分－２３時５６分

　攻撃高度 １２４００－１５５００フィート

　目標上空天候 雲量０－９

　損失機数 １

　任務要約 攻撃速報は、この攻撃で被害を受けた地域が無いことを示した。損失機は基地への着陸で墜落、乗員の死傷はなし。１４機が目視、４９機がレーダーで爆撃した。高射砲は重口径と小口径、皆無から散発で不正確。敵機１９機が目撃され、１回攻撃した。戦果なし。１１機が誘導先発機として行動した。２機が爆撃不能。２機のウｨンドラン機は出撃機数に含まれない。同機はＴ－３パンフレット弾を投下した。１６機が硫黄島に着陸した。

　平均爆弾搭載量：１５５２６ポンド

　平均燃料残量：５７１ガロン

任務番号第３１３号

　日時 １９４５年８月５日

　目標 前橋都市地域( 90.13 )

　参加部隊 第３１３爆撃団

　出撃機数 １０２機

　第一目標爆撃機数 ９０．１９％（第一目標９２機、臨機目標４機）

　投下弾種類、設定 M19 　５００ポンド焼夷集束弾：目標上空５０００フィートで散開

　T4E4　５００ポンド破砕集束弾：機下３０００フィートで散開

　M64　５００ポンド通常爆弾：頭部近接信管、尾部未遅動信管

　投下弾トン数 第一目標７２３．８トン

　臨機目標３０．６トン

　第一目標投弾時刻 ５日２２時２８分－６日０時０８分

　攻撃高度 １５２００－１６９００フィート

　目標上空天候 雲量０－９

　損失機数 ０

　任務概要 結果は観測せずから優と報じられた。８２機がレーダーで、１０機が目視。６機は爆撃不能。敵機３０－３５機を目撃、１４回の攻撃を受け１機のＢ２９を傷つけた。戦果なし。高射砲は重口径、小口径、なし－散発で不正確。ウインドラン機１機とレーダー対抗機３機が任務に参加。出撃機数には含まれない。１５機が硫黄島に着陸した。

　平均爆弾搭載量：１６８４０６１ポンド

　平均燃料残量：４９８ガロン

任務番号第３１４号

　日時 １９４５年８月５－６日

　目標 西宮－御影都市地域( 90.25 )

　参加部隊 第７３、３１４爆撃団

　出撃機数 ２６１機

　第一目標爆撃機数 ９５．７８％（第一目標２５０機、臨機目標３機）

　投下弾種類、設定 M19 、M17　５００ポンド焼夷集束弾：目標上空５０００フィートで散開

　T4E4　５００ポンド破砕集束弾：機下３０００フィートで散開

　M47　１００ポンド焼夷弾：瞬発頭部信管

　M64　５００ポンド通常爆弾：頭部近接信管、尾部未遅動信管

　投下弾トン数 第一目標２００．９トン

　臨機目標２３．８トン

　第一目標投弾時刻 ６日０時２５分－１時０１分

　攻撃高度 １２６００－１６０００フィート

　目標上空天候 雲量０－８

　損失機数 １

　任務概要 偵察写真は市の３２％が破壊されたことを示した。５４機が目視、１９６機がレーダーで爆撃した。８機は爆撃不能。損失機はエンジン２機が止まった後、着水した。乗務の１２名は救助された。出撃機数には４機のレーダー対抗機、ウインドラン機２機は含まれない。第３１４爆撃団の１７機は誘導機として行動した。高射砲は重口径、中口径、小口径、散発から強烈、不正確。地対空ロケットと阻塞気球が見られた。サーチライトは多数、行動的だった。爆撃機５機が対空砲火により被害を受けた。敵機２５－３５機を目撃、攻撃回数８。戦果なし。２４機が硫黄島に着陸した。

　平均爆弾搭載量：第７３爆撃団１６８６１ポンド、第３１４爆撃団１６５６５ポンド

　平均燃料残量：第７３爆撃団６３５ガロン、第３１４爆撃団５５５ガロン

任務番号第３１５号

　日時 １９４５年８月５－６日

　目標 宇部石炭液化工場 ( 90.32 - 1841 )

　参加部隊 第３１５爆撃団

　出撃機数 １１１機

　第一目標爆撃機数 ９５．５０％（第一目標１０６機、臨機目標２機）

　投下弾種類、設定 M64　５００ポンド通常弾：頭部1/10秒遅動信管、尾部1/100秒遅動信管

　投下弾トン数 第一目標９３８トン

　臨機目標２２．５トン

　第一目標投弾時刻 ５日２２時２４分－６日０時３１分

　攻撃高度 １０３００－１２６００フィート

　目標上空天候 雲量０－６

　損失機数 ０

　任務概要 精製施設の１００％、貯蔵－作業所の８０％が破壊された。また宇部製鐵所( 90.32 - 1878 )も５０％が破壊または損傷した。３機が投下不能。２機のみが目標を目視した。高射砲は重口径、散発で不正確。敵機２５－３５機を目撃、攻撃１。２機のウインドラン機は任務に加わり、本隊とともに爆撃を実行した。それらは出撃機数に含まれない。５機が硫黄島に着陸した。

　平均爆弾搭載量：１８７０４ポンド

　平均燃料残量：９６９ガロン

任務番号第３１６号

　日時 １９４５年８月５－６日

　目標 今治都市地域

　参加部隊 第５８爆撃団

　出撃機数 ６６機

　第一目標爆撃機数 ９６．５６％（６４機）

　投下弾種類、設定 M19　５００ポンド焼夷集束弾：目標上空５０００フィートで散開

　T4E4　５００ポンド破砕集束弾：機下３０００フィートで散開

　M64　５００ポンド通常弾：頭部近接信管、尾部未遅動信管

　投下弾トン数 ５１０トン

　第一目標投弾時刻 ６日０時０５分－６日０時４７分

　攻撃高度 １２２００－１２８００フィート

　目標上空天候 雲量０－５

　損失機数 ０

　任務概要 結果は、目標地域じゅうに大火災が発生、優秀と報じられた。後の写真偵察は、市の７６％が破壊されたことを示した。２機が投下不能。１１機のみが目標を目視した。２機のウインドラン機は出撃総機数に含まれない。敵機５機を目撃、攻撃は受けなかった。高射砲は重口径、中口径、小口径で散発で不正確。目標地域で２基のサーチライトがあった。Ｔ‐３パンフレット爆弾が投下された。５機が硫黄島に着陸した。

　平均爆弾搭載量：１６９８６ポンド

　平均燃料残量：７７３ガロン

【映　画】

北の三人

製作＝東宝　配給＝映画公社　白系　8巻 1,972m 72分 白黒

製作　田中友幸／監督　佐伯清／脚本　 山形雄策／撮影　 中井朝一

出演：原節子 高峰秀子 山根寿子 佐分利信 藤田進 河野秋武