佛像圖彙588

【588】恵美酒(えびす) 


 [通釈] 

七福神 

恵美酒 

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の第三の御子である。天照大神の御弟であらせられる。西宮に流されなされたので西宮大神宮と祀り奉られている。 


[解説] 

 三歳に成っても足が立たなかったので、親神から海に流し棄てられたとの哀れな伝承がある。その流れ着いた先が本文では西宮という事になっている。 

 「えびす」はいろいろな表記があり、恵比須・恵比須・蛭子・戎などがある。本書の「恵美酒」は珍しい。 

 狩衣(かりぎぬ)についている柏紋は、古来神饌を盛る器に柏の葉を用いた事に基づくが、江戸中期頃に大坂の役者が恵比須に扮した時に自家の家紋を付けた事から始まったともいわれている。 断ち難い紙を恵比須紙、真正面に据えない膳を恵比須膳等の言葉もある。 

 江戸小噺に 

  寺の徒弟和尚の前に何時も斜めに膳を据える 

  これ、珍念、何故何時も恵比須膳に据うるや 

  珍念対(こた)えて曰く 大黒様座します故 

というのがある。 

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