佛像圖彙587

【587】大黒天(だいこくてん) 


[通釈] 

七福神 

大黒天 


[解説] 

 大国と大国とが「ダイコク」で音通であることから大国主(おおくにぬし)と習合する。佛家では厨房の神として祀る事が多く、このことから僧の隠し妻を隠語で大黒と称するに至る。 

 元々はヒンドゥー教のシヴァ神の化身マハーカーラがそのまま密教に取り入れられたため、初期の大黒天はシヴァと同様に四本の手に三叉戟、棒、輪、索をそれぞれ持った像として描かれた。さらにブラフマーとヴィシュヌをも吸収していき、ヒンドゥー教の三神一体(ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァ)に対応した三面六臂の憤怒相の大黒天(マハーカーラ)も登場した。日本には密教を通じて伝来したことから初期には主に真言宗や天台宗で信仰された。 

 習合はなかなか都合よく仕立てられるもので、大黒天は元来荒ぶる神だったのが仏により改心し、福徳の神として親しまれるようになったということになっている。 

下図は、チベット密教における憤怒相の大黒天(マハーカーラ) 

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