佛像圖彙585

【585】辨財天(べんざいてん)


[通釈] 

七福神 

辨財天 


[解説]

  辨財天も既出。なお、現在は「弁財天」という表記が一般的だが、「辨」と「弁」は全くの別字であり、天部(神)の名であることから「辨」で統一する。

  神道では宗像三女神の一人市杵嶋姫尊(いちきしまひめのみこと)と同一視する。安芸の厳島(いつくしま)・近江の竹生島(ちくぶじま。琵琶湖の中にあり)・相模の江の島を日本三大辨天とする。蛇が神使とされ、巳(み)の日が縁日となる。

  古川柳に 

  辨天は女だてらな使者を持ち 

というのがある。

 北条氏の家紋三つ鱗(みつうろこ)は、時政が江の島の岩屋に参籠した折に授かった三枚の鱗を象ったと伝えられている。


 江の島の辨天は鍼(はり)の名人杉山和一検校(けんぎょう)が参詣した際に授かった竹筒に入った松葉から管鍼を思い付いたといわれている。それまでは鍼は直接刺していたためにツボから外れることが多く、そのために痛みを生じることも多かったが、筒をツボに当てて、その中に鍼を入れて刺す方式にしたところ確実にツボに刺さって痛みもなくできることから、現在はこの方式が普及している。     


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