佛像圖彙556

【555】善光寺如来(ぜんこうじにょらい)


[通釈] 

善光寺の一光三尊如来は中天竺の毘遮利国の月界(正式には月蓋長者。江戸の金平本等では画数の少ない界に作る事が多い)長者が、閻浮提金三千七百両を使ってお姿を写し鋳造たてまつった物である。 

本朝には欽明天皇十三年壬申の歳に、百済の聖明王より我が国に渡らせられた。三国伝来の像である。 


[解説] 

 善光寺如来は信濃善光寺の本尊。現在は秘仏であり、開帳にはお前建て本尊を開帳する。奇しくも今年(2022年)は開帳の年に当たっている。弘化四年の開帳では、史上に名高い善光寺地震が起こり多大な被害を齎した。 

 三国伝来という言い伝えはともかく、考古学的には六朝時代の三尊像の形をとる物と思われ、渡来人が念持仏として用いていた物が信濃に伝ったと考えられる。    

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