佛像圖彙495

【495】大梵天王(だいぼんてんおう) 


 [通釈] 

大梵天王 梵字はハラ(例によって崩れている) 

色界初禅天の主。又大千の主とも。覚観があることから上を統べ下に冠となる。故に令主という。

 『婆沙論』にいう「初禅天の広さは四天下(してんげ)に同じ」と。 


[注] 

覚観 物事を推し量ること。 

初禅天 色界の第一番目の天。 

四天下 須彌山(しゅみせん)を囲む八重の海・山の、最も外側の海の四方にあるという四つの大陸。 東方の弗婆提(ふつばだい・ふばだい)、西方の瞿陀尼(くだに)または倶耶尼(くやに)、南方の閻浮提(えんぶだい)、北方の鬱単越(うったんおつ)または倶留(くる)(瞿盧とも)の総称。 


[解説] 

 以下、東洋画題綜覧より引用「色界初禅天に三天あり、第一重を梵衆天、第二重を梵輔天、第二重を大梵天といふ。大梵天は即ち初禅天の第一位の主君で、梵輔天はその輔佐の臣、梵衆天はその臣庶である。梵は清浄の義で此初め禅天以上にあつては、淫欲更に起らぬので、清浄世界を梵天と名づける。この大梵天の宮城に住する大梵王は高麗の宝台に坐し、珠飾微妙の棲閣に居る」

  大梵天王の形相は女身で蚕衣をつけ手に柄香炉を持つ。古来起請文には清浄潔白の意を表わすためにこの像を載せるならわしがある。 

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