佛像圖彙422

【422】吉祥天(きちじょうてん) 


 [通釈] 

吉祥天 梵字はシリ― 

毘沙門の妹である。

『光明(疏)』にいう、「威徳成就衆事大功徳天」と。

梵語では室利摩訶討毘訶という。 


[注] 

光明 書名。正式には『観経光明疏』。法然の高弟・長西の撰。『観無量寿経』の訳注書。 


[解説]

  吉祥天は、仏教の女神。「きっしょうてん」とも。本来はベーダおよびヒンドゥー教に現れ,美,幸運,繁栄,豊穣をもたらす神とされる。一説にはアーリア人がインドに侵入する以前の、先住民のもつ豊穣の女神かともいわれる。像容は普通、唐服の貴女の姿で、左手に玉を持つ立像が最も多いが坐像もある。本書も坐像を採る。日本では 8世紀以来盛んに信仰されてきた。

  下は、薬師寺吉祥天像(奈良時代、国宝) 

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