佛像圖彙293


【293】十羅刹の五・黒歯(こくし) 


 [通釈] 

黒歯 梵字はバン 

秘法に不動または大日と(本地は不動または大日。秘法も同じ)。 

正経(正法華)には施黒と名づく。 


[解説] 

 黒歯は、元は黒い牙を持つ鬼神。左手に幡を持つ。本地仏は大日如来または不動明王。

 説明文は今までと同じだが、「秘法ニハ不動又大日」というのは形として崩れている。秘法に不動又は大日とあるのではなく、本地である不動又は大日の秘法に黒歯が同じとうこと。今まではそのように説明してきたのに、ここでこういう文章になるのは、前に同じだからこれでわかるはずだという思いが作者にあったのだろうが、粗雑な感が否めない。 


[摂津名所図会より]13 

楯原神社(たてはらのじんじや)  

西喜連村にあり。『延喜式』に出ている。住吉に楯御前杜があり、同神であろうか。不詳。今は天満宮と称する。後世に神名が変わる事は、島下郡の茨木明神のところで説明する。当社はこの所の生土神とする。例祭は九月二日。 

※大阪市平野区喜連にあり、もとは楯原にあったのが、兵火に罹って現在地へ移り、元和年間(1615~24)に近くの天神社を合祀して天満宮と呼ばれた。明治43年(1910)春日・東西社を合祀し、楯原神社に戻す。如願寺は宮寺。祭神:建御雷命・大国主命。 

※絵はありません。画像はWikipediaより。   

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