佛像圖彙289


【289】

十羅刹・藍婆(らんば) 


[通釈] 

十羅刹(女) 藍婆 梵字はア 

東方の阿閦佛(あしゅくぶつ)の化身〔割註 秘法は阿閦仏に同じ。安然の訳である〕。 

正法華に結縛と説く。 

法華秘法に「藍婆は妙法蓮華八葉云々」と。 


[注] 

十羅刹 正式には十羅刹女。鬼子母神と共に法華経及び其の持経者を守護する。 

正法華 正法華経。法華経の異訳の一つ。竺法護訳。十巻。 

結縛 煩悩に囚われること。煩悩は身心を束縛して解脱を妨げる故に結縛という。 

法華秘法 日蓮の説いた法華経信仰の三大要。 


[解説] 

 十羅刹女は、法華経に説かれる法華経受持の人を護持する十人の女。もとは人の精気を奪う鬼女であったが、後に鬼子母神らとともに仏の説法に接し、法華行者を守る神女となった。 


[摂津名所図会より]10 

住吉神輿火替所(すみよししんよひかえどころ) 

大和橋の北詰めにあり。六月晦日の夜、御祓に堺の人が炬(たいまつ)をつけてこの所まで送る。これより住吉の人が請け取って社檀に納める。これを御祓の火替(おはらいのひかえ)という。 この地より南方の堺の津大小路(おおしょうじ)までは後世摂泉の国境とする。しかし、今は旧史に基づいて和泉国とする。 

※絵はありません。住吉祭にゆかりの深い大和橋。住吉祭は7月の海の日の「神輿洗 (みこしあらい) 神事」に始まり、7月30日「宵宮祭(よいみやさい)」と31日の「夏越祓(なごしのはらえ)神事・例大祭」と続き、翌8月1日の「神輿渡御(みこしとぎょ)」でクライマックスを迎える。最終日の神輿渡御の舞台となるのが、大和川とそこに架かる大和橋。江戸時代から盛んだったことがわかります。

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