佛像圖彙281


【281】阿耨達童子(あのくだつどうじ) 


 [通釈] 阿耨達童子 梵字はサ 

本地仏は無量寿佛 

左の手に蓮を持ち、右の手に一古杵(正しくは独鈷杵)を把る。 


 [解説]

  阿耨達童子は阿耨達童子(あのくたどうじ。本書の見出しは「あのくだつどうじ」となっている)、梵名アナヴァタプタ(Anavatapta)は、不動明王の眷属、「阿耨多」とも音写される。八大童子の第3番目。頭に金翅鳥(こんじちょう)を載せ、左手に蓮華、右手に独鈷杵を持ち、龍に乗っている。『八大童子秘要法品』では、蓮華部より出現し、蓮華の池水より生じた純粋無垢な使者であると説かれる。

  画像は高野山霊宝館蔵「阿耨達童子」。この像は右手に何も持っていないが、手の平の形から元は独鈷杵を持っていたと考えられている。


 [雑記] [摂津名所図会より]4 

子安地蔵(こやすじぞう)

津守寺の西南にあり。天台宗松野山地蔵寺と号す。本尊の地蔵尊は長(たけ)六尺ばかり。 

※絵はありません。

(注)地蔵寺(じぞうじ 大阪市住吉区墨江)は承応3年(1654)に僧承圓が建立した天台宗の寺。もとは浄土宗に属し、子安寺と号していた。殿辻の字松本にあったが、明治18年(1885)に現在地に移転。本尊は木造地蔵菩薩立像。   

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