佛像圖彙257
【257】善財童子(ぜんざいどうじ)
[通釈]
善財童子 梵字はダ
華嚴経には福城長者の子とある。初めて母の胎内に宿る時、その家の中より七宝楼閣が出て、その下に土伏蔵(あなぐら)が見つかった。そのことから善財童子というようになった。文殊五百童子の第一である。
[注]
七宝楼閣 『仏説阿弥陀経』では極楽浄土の荘厳を、「楼閣あり、また金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・玻瓈(はり)・硨磲(しゃこ)・赤珠(しゃくしゅ)・碼碯(めのう)をもってこれを厳飾(ごんじき)せり」と説く。この「金・銀・瑠璃・玻瓈・硨磲・赤珠・碼碯」が七宝であり、七宝でできた楼閣のこと。
[解説]
善財童子は、華嚴経によれば、長者の子として生まれたが発心して文殊の勧めに従い五十三人の賢人を訪ね歩き、遂に悟りの境地に至ったとある。更に派生して西遊記では牛魔王と羅刹女の子供の紅孩子で、三蔵法師に害をなそうとしが観音に調伏され仏道に帰依したとする。なお、東海道五十三次は善財童子の遍歴になぞらえたとする説がある。
画像は安倍文殊院の善財童子像(快慶作、国宝)
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