佛像圖彙233
【233】三宮(さんのみや)
[通釈]
三宮 梵字はウーン(本書では形が崩れている)
桓武天皇の延暦六年に貴女の姿で紫雲に乗り、法華経を持って大嶽の辺にお降りなされた。
本地は普賢菩薩
[解説]
山王七社権現の内、三宮。比叡連峰の牛尾山に鎮座。社殿は掛け造りの豪壮な建築。
[雑記] 「百年後の仏教」
【15】久津見蕨村(くつみけっそん ジャーナリスト、評論家。自由主義思想家として知られ、ニーチェ、カントらの哲学を紹介し、教育・宗教・社会問題を幅ひろく論じた)
「世相は皆變化性を有して居りますが、之(これ)に比すると宗敎は固定性を有して居ると私は見ます。二千有餘年前の原始佛敎と今の佛敎とは大分變つて居るやうですが、『百年後の佛敎』と今の佛敎とは餘り變つては居るまいと想ひます、勿論多少の盛衰は免れますまい。」
世の中は変化する特性があるが、宗教は固定性があり、原始仏教と今の仏教では変化しているものの、100年後と今ではあまり変わっていない、とします。短文ながら優しい口調で、変化の激しい世の中に流されないのが宗教であり、そのようなものが必要だということですね。多少の盛衰はあるにしても。
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