佛像圖彙227


【227】兵主大明神(ひょうずだいみょうじん)

[通釈] 兵主大明神 梵字はキリーク 二十八日 

江州野洲の郡兵主の郷に鎮座する。 

本地は不動明王または大日如来。 


[解説] 兵主大明神は、兵主大社(滋賀県野洲市)。祭神は八千鉾神。渡来系の神ともいわれる。所蔵の仏像に不動明王像がある所から推定すると、元々の本地は不動明王ではなかったかと思われる。


[雑記] 

「百年後の仏教」

 【10】壬生雄舜(みぶゆうしゅん 天台宗妙法院門跡)

  一、僧侶自身須(すべか)らく無明長夜の甘睡より寤(さ)むべし。

  二、寺院の制度を敎會制度に改むべし。

  三、寺院財産管理法を制定すべし。 

  四、僧侶の參政權を獲得すべし。

  五、完全無缺なる宗敎法を制定すべし、

  斯くして始めて百年後の佛敎は漸く衰滅を免れんか。斯く云ふも障子一枚先きは見えぬ凡夫の事とて不得止過去より現在の状態を推し現在より將來を豫想して千慮の一端を披陳す。」

  僧侶自身が「無明長夜の甘睡」から目覚めて、宗教に関する法制を改善、整備するように努めなければならないことを箇条書きで示したうえで、「障子一枚先きは見えぬ凡夫の事」という過去から現在(=当時)までのいろいろな出来事を見ると、このままでは未来も変わらない、これではいけないと憂慮しています。

  「無明長夜の甘睡」という言葉、現在ではまず見ることがありませんが、昔は盛んに使われていたようです。今も寺方では使われているでしょうか。    

過去の出来事

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