佛像圖彙205
【205】大比叡権現(おおひえごんげん)
[通釈]
大比叡権現 梵字はバク 十七日
江州(近江)の山王七社の内の大宮である。国常立命(くにとこたちのみこと)である。
本地は釈迦如来。
[注]
国常立命 記紀(古事記・日本書紀)では日本最初の神とする。御嶽教等一部の神道系教団で信仰される。
[解説]
大比叡権現は日枝山王の神の一。元々は日枝(比叡)山を祀った山岳信仰に基づく神である。
山王七社は滋賀県大津市坂本の日吉大社に所属する本社・摂社・末社の21社を上・中・下各々七社ずつに区分していう称。大宮・聖真子・二宮・八王子・客人・十禅師・三宮を上(かみ)、牛御子・大行事・早尾・新行事・下八王子・王子宮・聖女を中(なか)、小禅師・大宮竈殿・二宮竈殿・山末・岩滝・気比宮・剣宮を下(しも)とする。通常は上の七社を指し、中・下七社の称は一定しない。七社。七座。ななのやしろ。
[千手観音の持物]42〔最終回〕
総摂千臂手
仏教における宇宙観である三千大千世界の魔障の物を調伏する千手観音の眼のある手の集大成です。千手は慈悲の広大を示し,千眼は化導(けどう)の智が円満自在であることを表わしています。
千手といわれるように、正式には千の手(臂)を持つ観音さまで、大阪の葛井寺(ふじいでら)にある像など千の手を持つ造像もありますが、多くは42手(臂)で、胸前で合掌する2本の手を除いた40本の手が、それぞれ25の世界を救うものであり、「25×40=1000」であるとされています。25の世界とは、仏教で言う「三界二十五有(う)」のことで、天上界から地獄まで25の世界があるという考えで(欲界に十四有、色界に七有、無色界に四有があるとされる)、俗に言う「有頂天」とは本来、二十五の有の頂点にある天上界のことを指します。
以上が基本的な千手観音の持物の図説です。
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