訓蒙図彙320

訓蒙図彙 320 虫介の部

岐首(きしゅ) a snake with bifurcated

[訓読]岐首 きしゆ(きしゅ) 岐首蛇(きしゅじゃ)は、即(すなわ)ち枳首蛇(ししゅじゃ)なり。本(ほん※)軹首(ししゅ)に作る。或ひと(※※)両頭岐首を以て一と為す。然ども見るに二種有るが故に別にこれを出(いだ)す。


[通釈]岐首 きしゅ 岐首蛇は、つまり枳首蛇である。一本では軹首に作る。ある人は両頭の蛇と岐首の蛇を一つのものとする。しかし、見たところ明らかに二つの種類であるから、それぞれ分けて出すことにする。


[ 注 ]

※ 訓読では、この字を「もと」と読むことが圧倒的に多い。しかし、それでは、もともとはAであったものが今はBとなっているということになり、なぜそのように変化したのかということになる。しかし、これは変化したのではなく、同じ本でもいろいろな系統がある場合、字句の異同がよくあり、「本」は「一本」「別本」の意味として「ほん」と読むほうが意味が正しく通る。

※※ この字は「あるいは」と読むことが多いが、これだと「AあるいはB」という意味で、あやふやになる。この字も「本(ほん)」同様、ある人、別の人の説では、という意味で「或(ある)ひと」と訓じたほうがよいし、こういう読み方もある。


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