佛像圖彙180
【180】弥勒仏(みろくぶつ)
[通釈]
弥勒仏 梵字はユ 五日
又阿逸多(あいった)という。『圓覺疏』一にいう「慈氏というのは、慈は姓氏である。無能勝と名づく。徳は人に勝っているので、今は姓を以て弥勒と呼ぶ。
小字 没後六七日(四十二日)の本尊である。
[注]
圓覺疏 正しくは大方廣圓覺經大疏。唐の宗密の註。13巻。
[解説]
弥勒は姓は阿逸多、無能勝と訳す。その母の慈愛が深かったことから慈氏と名づけたという。南天竺の波羅門にして、釈迦に先だつ四十二劫の過去に善思仏の下にあって発心し、兜卒天(とそつてん)の内院に在り、釈迦の入滅後56億7千万年にして成仏し、娑婆に出て人天を化益すとされる未来仏。
[千手観音の持物]30
数珠手
仏の御名を唱えつつ爪まぐる事により、速やかに諸仏の世界に近づく事を表します。
数珠(念珠)は本式念数珠だと宗派に依り造りや作法など厳格な決まりがあるようです。しかし、そういったことは時代とともに複雑化、深化するもので、本来は数を数えるための実用的道具で、やがて法具として、仏、菩薩の世界と自分(娑婆世界)とを結ぶ掛け橋といった意味にとらえられるようになったものでしょう。
仏教のみならず、道教でも、或いは耶蘇・回教でも同様の物を用いる事があるとか聞きました。〔冢堀庵〕
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