佛像圖彙176

【176】多宝仏(たほうぶつ)


[通釈]

多宝仏(如来) 梵字はア 三日

東方にある宝浄世界の多宝、高さ五百由旬の七宝大塔に住み、霊山の大地より湧出された。この事は法華大意に見える。


[注]

由旬 距離の単位。牛に車を付けての一日の行程に基づくというが、詳細は不明。俱舎論の記述からすると1由旬は7.2km程となるが、経典により違いがある。

法華大意 書名。正しくは『妙法蓮華経大意』。江戸初期の日蓮宗の僧・日遠の述。慶安年間の刊本がある。


[解説]

 多宝仏は、東方の宝浄世界の教主。 法華経・見宝塔品で、法華の説法のある所に宝塔を出現させ、説法の真実を証明し讃嘆(さんだん)し、半座を譲って釈迦を請じ入れたという仏。多宝如来。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。