佛像圖彙170
【170】金剛童子(こんごうどうじ)
[通釈]
金剛童子 梵字ウン
(説明文なし)
[解説]
金剛童子は、金剛杵(しょ)に秘められた威力を影像化した金剛部の忿怒(ふんぬ)形の童子。阿弥陀(あみだ)仏の化身(けしん)といわれ、形像は蔵王権現(ざおうごんげん)に似る。二臂(ひ)または六臂像。二臂像は園城寺に作例が、六臂像は醍醐寺に信海筆の白描図像が伝存する。日本独自の尊。左足を高くあげ、空中を踏み(丁字立(ていじだて))、両手を大きく開く。左手に三鈷杵(さんこしょ。空海の像もこれを持っている)を持ち、右足は青蓮華(しょうれんげ)座を踏む。六臂像は東密系で青童子という。黄童子は主として台密。
あどけない童子が忿怒の形相をするなど現実の人間ではまず見られないことだが、純粋な童子がこのような形相をするのはよほどのことであり、弥陀の化身なればあり得るとしても、やはり童子の忿怒相は鬼気迫るものがある。
図は黄金剛童子像(きこんごうどうじぞう 重要文化財 鎌倉時代 十三世紀 絹本著色 縦130.3cm 横73.5cm)園城寺のホームページ「名宝の紹介」より。
[千手観音の持物]26
宝戟手
戟(げき)は槍のような刺突のための武器。三國演義では呂布(りょふ 字(あざな)は奉先)が用いています(下図)。逆賊をはじめ諸々の禍を払うものとされています。
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