佛像圖彙168
【168】六字明王(ろくじみょうおう)
[通釈]
六字明王 梵字はオーム
[解説]
六字明王は、真言宗勧修寺流の『六字経法』(ろくじきょうぼう=下図)の本尊とされる。梵漢(インド・中国)にも無く本朝で感得された尊像と思われる。四臂にて丁子立ちといわれる立ち方が特徴。
別名は「六字尊」「六字天」。聖観音、千手観音、馬頭観音、十一面観音、准胝観音、如意輪観音の六道の衆生を救済する。六観音が総合され、更に陰陽道との交渉により発した尊。『六字神呪経』を修して悪鬼・怨敵を調伏するという。
この明王が我が国で生まれた背景には、時の権力者間での権力闘争があり、相手を調伏するためであるといった説があるようだが、詳細は不明。菩薩が六尊合わさって格下の明王になるのもおかしいといったことも指摘されている。
[千手観音の持物]25
五色雲手
衆生を仏の世界に導く五色(ごしき)の瑞雲を乗せた手です。
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