佛像圖彙166
[通釈]
仏母大孔雀明王 梵字はユ
『孔雀經』にいう「孔雀明王の神呪を唱えれば寿命は百年、百回秋を迎えるほど命が長くなる」ある。
[注]
孔雀經 正式には佛母大孔雀明王經。幾つかの訳があるが、通行の物は義浄と不空の訳した三巻本。下の画像は高麗大蔵経本。
余説 荻野眞の漫画「孔雀王」は密教漫画の走り。作者が早世されたのが惜しい。西遊記にも魔王が釈迦に依って調伏され孔雀明王となる段がある。(冢堀庵)
[解説]
仏母大孔雀明王は、密教特有の尊格である明王の1つ。衆生を利益する徳を表すとされる。
元来はインドの女神マハーマーユーリー(महामायूरी、Mahāmāyūrī)で、パーンチャ・ラクシャー(五守護女神)の一柱。
マハーマーユーリーは「偉大な孔雀」の意。摩訶摩瑜利(まかまゆり)、孔雀仏母、孔雀王母菩薩とも呼ばれる。憤怒の相が特徴である明王のなかでは珍しく、慈悲を表した菩薩形をもつ。孔雀の上に乗り、一面四臂の姿で表されることが多い。4本の手にはそれぞれ倶縁果、吉祥果、蓮華、孔雀の尾を持つ。なお、京都・仁和寺の画像(北宋時代、国宝)のように三面六臂に表された像もある。
孔雀は害虫やコブラなどの毒蛇を食べることから孔雀明王は「人々の災厄や苦痛を取り除く功徳」があるとされ信仰の対象となった。後年になると孔雀明王は毒を持つ生物を食べる=人間の煩悩の象徴である三毒(貪り・嗔り・痴行)を喰らって仏道に成就せしめる功徳がある仏という解釈が一般的になり、魔を喰らうことから大護摩に際して除魔法に孔雀明王の真言を唱える宗派も多い。また雨を予知する能力があるとされ祈雨法(雨乞い)にも用いられた。(以上、Wikipediaより)
真言
「おん まゆらきらんてい そわか」(oṃ mayūrā krānte svāhā)
陀羅尼
のうもぼたや・のうもたらまや・のうもそうきゃ・たにやた ・ごごごごごご・のうがれいれい・だばれいれい・ごやごや ・びじややびじやや・とそとそ・ろーろ・ひいらめら ・ちりめら・いりみたり・ちりみたり・いずちりみたり ・だめ・そだめ・とそてい・くらべいら・さばら ・びばら・いちり・びちりりちり・びちり・のうもそとはぼたなん ・そくりきし・くどきやうか・のうもらかたん・ごらだら ・ばらしやとにば・さんまんていのう・なしやそにしやそ ・のうまくはたなん・そわか
[雑記]
これも何かのご縁なのか、この孔雀明王さま回を準備する前にユーチューブを見ていたら、高野山公式のチャンネルからのおすすめとして、「高野山霊宝館「孔雀明王」の法話」(https://www.youtube.com/watch?v=QogpeHtnWB0)が表示されました。何しろ知識がないものですから、時間も短くまとめてあり、早速拝見しました。先月アップされたばかりのものです。
孔雀は身近にいるものではないだけに、今でも羽根を広げた姿は神秘的ですが、伝聞が主の古人にとってはなおさら神々しく思えたことは想像に難くありません。毒蛇毒虫を食べる、これだけでもありがたいことですね。
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