佛像圖彙128
【128】持蓮観音(じれんかんのん)
[通釈]
持蓮観音
童男童女身に化現して衆生を済度する。
[注]
蓮を持つのは清浄な菩提心を表すとされる。ちなみに、この絵の場合、上がつぼみ、中が開いたところ、下が咲き終わった状態で、下から過去、現在、未来を表わす。葉でこれを表わすものも多く、仏壇飾りの仏具の一つとして必須のもの。仏・法・僧を表わすともいう。
[解説]
持蓮観音は、清純な女性が蓮華を捧げながら、浄菩提心を説く。姿は心を表わし、心は姿を求めることを象徴する。一般には女性(童女)とされているが、本書の説明では「童男」「童女」と併記しており、何に拠ったのか不明だが、両性ともに存在するとするものもあるのだろう。観音さまの性別については先述のように、仏身はすべて男性であり、観音も例外ではないというのが建前であるが、観音の場合はさまざまに変化して現れることから女性の姿もするという説や、完全に女性であるとする説もあり、持蓮観音も変化の一つであることからすれば、どのような解釈も可能ではある。
[千手観音の持物]9
月精摩尼手
前回の日精摩尼と対をなすもので、こちらは月の珠の中に餅つきをする兎がいます。病魔を退散させるものです。
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