佛像圖彙123
【123】普悲観音(ふひかんおん)
[通釈]
普悲觀音
大自在天身に化現して衆生を済度する。
[注]
大自在天 いわゆるシバ神のこと。但し像様はシバ神とは似ても似つかぬ温容を示す。
普悲 普(あまね)く慈悲を垂れ給うの義。
余説
武蔵野三十三観音十二番、埼玉県所沢の全徳寺観音堂には珍しくも普悲観音を奉祀する。(冢堀庵識)
[解説]
普悲観音は、観音様の平等普遍の大慈悲心を特に強調したもので、密教的に置き換えをすれば、大日如来的な存在。「まさに大自在天の身をもって得度すべきものには、すなわち大自在天の身を現じて、ために法を説く」の教えに基づく。
画像は所沢の全徳寺観音堂。この中に普悲観音が安置されているが、公開されておらず、格子の窓越しに覗いて拝するのみ。
[雑記]
Twitterで、日蓮宗では般若心経を唱えてはいけないのか、といったつぶやきがありました。確かに、最近本当に日々の勤行や法要を動画中継する寺院が増え、特に真言、日蓮、浄土(浄土宗と真宗両方)は熱心なように見受けられます。
日蓮宗のお勤めや法要を見ても、般若心経を唱える光景はほぼありません。ほぼ、というのは、全ての動画を見ているわけではないし、断言できなすためです。それはともかく、日蓮宗はなんといってもお題目が根本であり、もともと法華宗といっていたように盛んに法華経が唱えられる。こういう様子を見ると、我々一般人は、他宗では必ずといっていいほど唱えられている般若心経を日蓮宗のお坊さんはことさら嫌っているのかな、とさえ思っても不思議ではない。
しかし、よく調べるでもなく、日蓮宗も般若心経は唱えているし、大切な経典と位置付けていることに変わりはない。極言すれば、仏教であれば般若心経を信奉するのは当然であり、仏教徒なのに釈尊を信奉しない人がいないのと同じです。もしいるとすれば、それは明らかにカルトです。邪教といってもいいでしょう。
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