佛像圖彙116
【116】阿耨観音(あのくかんおん)
[通釈]
阿耨観音
龍魚諸鬼難
[注]
龍魚諸鬼難 観音経普門品偈の「或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念被観音力 波浪不能没」(わくひょうるーこーかい りゅうぎょーしょーきーなん ねんぴーかんのんりき はーろうふーのうもつ)(或いは巨海に漂流して、龍や魚や諸鬼の難に遭おうとも、彼の観音力を念じれば、波浪に没することはない)に基づく。
[解説]
阿耨観音は、阿耨はサンスクリット語で清涼の池という意味で、ヒマラヤ山中の北側にある想像上の澄んだ池。一辺が約350Kmの正方形で、八功徳水(はっくどくすい)で満たされている。この湖に辿り着くには超人的な能力が必要といわ、この湖の信仰から発展して、水難の禍から救ってくださるのがこの観音さまという。
八功徳水(はちくどくすい、とも)は極楽浄土の池にある水で、甘、冷たい、やわらかい、軽、澄んでいる、臭みがない、のど越しが良い、お腹に良い、の八種の功徳を具えた水とされる。ちなみに、浄土真宗では仏前に水を供えてはいけないとされるが、それは極楽浄土にこの水があるから必要がないという意味とのこと。
画像は御殿場市平和公園にある阿耨観音。
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