佛像圖彙115

【115】能静観音(のうしょうかんのん)


[通釈]

能静観音(のうしょうかんのん)

吹其船舫漂 堕羅刹鬼国(すいごーせんぽうひょう だーらーせっきーこく)


[注]

吹其船舫漂 堕羅刹鬼國 普門品偈に基づく。宝を探して大海中に漕ぎ出した船が暴風によって流され、羅刹鬼国に漂着しても観音の御名を唱えれば難を免れると。いわゆる七難のうち風の難に対する除け方を説く。


[解説]

 能静観音は、海辺の岩にもたれ掛かり坐っている。救いの法則が衆宝観音と似ており、遭難者を能く安静にすることから能静観音という。なお、本書の見出しでは「静」を「志やう」(しょう)と清音になっているが、一般的には「じょう」と濁音で読む。

 画像は愛知県前田公園内にある能静観音立像。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。