佛像圖彙110
【110】青頭観音(せいずかんおん)
[通釈]
青頭観音
即現仏身(そくげんぶっしん)
[注]
青頸(せいけい)観音ともいう。なお、「青」を「しょう」と読む宗派もある。方便でシバ神に化身した故、頭部が青いともいわれている。これも同じく『観音経』普門品第二十五偈の「即現佛身而為説法(そくげんぶつしんにいせっぽう)」による。観世音菩薩がその仏身を現して、衆生の得度すべき者のために法(のり)を説きたもう、ということ。
[解説]
青頭観音は、原型はシバ(シヴァ)神といわれている。シバ神には、毒を飲んで頸が青く変色した話がある。青頭・青頂とも。シバ(Śiva)はヒンドゥー教で最も重要な神格の一つ。サンスクリット語で「縁起のよい者」の意。『リグ・ベーダ』に単数,ときに複数で現れるルドラ神が民間信仰と混合し,ヒンドゥー教の最高神に発展したものとみられている。
画像は、嘉明筆「青頭観音之図」紙本 肉筆 掛軸
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