訓蒙図彙250
訓蒙図彙 250 虫介の部
蠣(れい) oyster
[訓読]蠣 れい かき。牡蠣(ぼれい)なり。蠣蛤(れいこう)、牡蛤(ぼこう)、蠔(ごう)、並びに同じ。○蠣は、相ひ連りて房の如くなるを蛎房(れいぼう)となし、相ひ粘して山の如くなるを蠔山(ごうさん)となす。其の肉はこれを蛎黄(れいおう)といふ。
[通釈]蠣 れい かき。牡蠣のこと。蠣蛤、牡蛤、蠔、並びに同じ。○蠣は、互いに連って房のようになるのを蛎房といい、互いに粘着して山のようになるのを蠔山という。牡蠣の肉は蛎黄という。
[解説]「蠣」(蛎)だけでカキの意味を表すが、「牡」の文字を重ねて「牡蠣」としているのは、一般に貝は雌雄で色の異なる部分があり、白い物が雄と考えられていたのに対し、カキは全身が白いことから「牡しかいない貝」と誤解されたことに由来するという。「カキ」という和訓は「かき落とす」という採取の方法から。
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