佛像圖彙63
【63】薬王菩薩(やくおうぼさつ)
[通釈]
薬王菩薩 (ここに出ていないが梵字はベイ)
梵語ではアカウンという。この菩薩は大悲の薬術で一切の衆生のさまざまな病苦を抜き薬をお与えになる事に自在なので薬王と命名された。
又、自らの身を焼き仏のために供養された。火は千二百年燃え続けたが滅びることはなかった。〔脚注〕この事は大論の十六に見える。
[注]
大論 『大智度論』の略 龍樹の著とされている。鳩摩羅什の訳が流布している。般若の思想の注釈書ではあるが博引傍証のため、一種の仏教辞典の感も有る。
[解説]
薬王菩薩。〈梵〉Bhaiṣajya-rājaの訳。良薬を施与して人々の病苦をいやすという誓いを立てた菩薩。 勇施(ゆせ)菩薩とともに法華経の持経者を保護する。 薬上菩薩とともに釈迦(しゃか)の脇侍(きょうじ)とされる。 また、二十五菩薩の一。画像は興福寺蔵、薬王菩薩立像(鎌倉時代、木造、重文。常時公開)
0コメント