佛像圖彙59
【59】金剛護(こんごうご)
[通釈]
金剛護(菩薩) 梵字はカン
一切の如来、大精進、金剛護等の諸仏に帰依し奉る。
出生義にいう「一切の如来、大悲鎧冑門(がいちゅうもん)より金剛護を生じたまう」と。
[注]
大悲鎧冑門 仏の慈悲が甲冑の如く堅固なる有様に基づく導き方。
[解説]
金剛護菩薩、難敵金剛菩薩とも。金剛界四方のうち北方、不空成就如来に属す。二本の手を胸前で金剛拳にして人差し指を伸ばし、端を相対する。
大乗仏教の菩薩行の理想では、菩薩は勇敢に衆生の救済に努める。そのためには菩薩の身を堅固に護らねばならず、菩薩を護るのは菩薩行に努める精進であるとする。これが六波羅蜜のうちの精進波羅蜜で、この尊像の密号を精進金剛としているのもそのためであるという。
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