佛像圖彙16
【16】曼荼羅弥陀(まんだらのみだ)
[訳]
曼荼羅の弥陀
三身の印。右の掌は見えるように正面に向け、左の掌は隠す。胸に卍字がある。大指(親指)と無名指(薬指)・中指とを合わす。これは法報二身の印である。右手は大指と頭指(人差指)を合わす。これは応身の印である。
[注]
三身印 三身とは仏の三身、つまり「法」「報」「応」の三つ。「法身」とは宇宙の真理その物。毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)を指す。「報身(ほうじん)」とは菩薩であった時の誓いに基づき仏を得た身。阿弥陀如来を指す。「応身」とは此の世で悟りを開いた身。釈迦如来を指す。
[解説]
曼荼羅は〈梵〉maṇḍalaの音写。本質を有するものの意。密教で、仏の悟りの境地である宇宙の真理を表す方法として、仏・菩薩などを体系的に配列して図示したもの。胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅・四種曼荼羅などがある。転じて、浄土の姿を図示したものなどにもいう。
奈良国立博物館蔵・重要文化財阿弥陀浄土曼荼羅 平安時代 12世紀
『仏像圖彙』に描かれた曼荼羅弥陀は當麻曼荼羅とみられる。當麻曼荼羅(たいま まんだら)とは、奈良の當麻寺に伝わる中将姫伝説のある蓮糸曼荼羅と言われる根本曼荼羅の図像に基づいて作られた浄土曼荼羅(下図)。
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