南留別志409

荻生徂徠著『南留別志』409

一   譜第(ふだい)といふは、世々官職ある家をいふなり。今の世にいふは、新附にわかてるなり。譜第相伝の下人などいへるは、大きに用ひ違へるなり。


[語釈]

●譜第 譜代。父から子へ、子から孫へというように同一血統の中で正しく継承が行われてきた家系、及びその族姓・系統の正しさを証明する系譜類などを指す。また、特定の主家に代々仕えてきた家臣の系統を指して「譜第の臣」「譜第の者」などとも称した。江戸時代では大名の出自による分類の一つとなり、外様大名に対する語。関ケ原の戦い以前から徳川家に仕え、家政にも関わってきた家臣で大名に列せられた者をさす。諸藩でも家臣の出仕時期による譜代・外様の別、譜代の区分が存在した。さらに農村においても本百姓に隷属する譜代下人(譜代奉公人)と呼ばれる人々が存在した。徂徠は、例によって譜第(譜代)の原義が正しく、徂徠当時の意味は違ったものとして批判している。

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