南留別志377

荻生徂徠著『南留別志』377

一  「ねこま」を略して「ねこ」といふ。「こま」といふも略言なり。


[解説]ねこ(猫)の語源は「ねこま」の「ま」を略したものという説、猫は夜行性で昼間よく寝ることから「寝子」に「獣」の意味の「ま」が付いたとする説などがある。平安中期の漢和辞書『和名抄(わみょうしょう)』に「禰古万」とあり、「ねこま」が「ねこ」の古称とされていたとする説もあるが、「ネコ」と「ネコマ」のどちらが古いかは詳らかではない。同じ江戸時代中期の薬学者・貝原益軒は「ねずみこのむ」の略「鼠好(ね・こ)」説を唱え、国学者・賀茂真淵(かものまぶち)は「ねむりけもの」略して「ねけ」が「ねこ」に転じたとし、江戸後期の国学者・中島広足(なかじまひろたり)は鵺(ぬえ)に似ているため「鵺(ぬえ)こ」が語源であるとする。徂徠は一般的な説を支持する。

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