南留別志374

荻生徂徠著『南留別志』374

一   黄檗派(おうばくは)の寺はから(唐)めきたれども、古に遠し。真言、天台の寺には、和流多けれども、もと唐朝より伝へたれば、古法の残れることあり。


[語釈]

●黄檗派 黄檗宗。日本の三禅宗のうち、江戸時代に始まった一宗派。江戸時代初期に来日した隠元隆琦(1592 - 1673)を開祖とする。本山は、隠元の開いた京都府宇治市の黄檗山(おうばくさん)萬福寺。 

●真言 真言宗。空海によって9世紀初頭に開かれた、大乗仏教の宗派で日本仏教のひとつ。 空海が長安に渡り、青龍寺で恵果から学んだ密教を基盤としている。‎真言宗豊山(ぶざん)派 · ‎真言宗智山派 · ‎高野山真言宗 · ‎真言宗御室派など主なものでも18宗派ある。 

●天台 天台宗。中国を発祥とする大乗仏教の宗派のひとつ。諸経の王とされる妙法蓮華経を根本経典とするため、天台法華宗とも呼ばれる。名称は、実質的開祖の智顗が天台山に住んでいたということに由来する。天台教学は入唐(にっとう)した最澄によって平安時代初期に日本に伝えられ、多くの日本仏教の宗旨がここから展開した。

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