南留別志359

荻生徂徠著『南留別志』359

一 大口といふものは、舞人の装束に、大口袴(おおくちばかま)といふ事、隋唐の楽志に見ゆ。


[語釈]

●大口袴 束帯装束の表袴の下に履く裾の大きく開いた紅色の肌袴のこと。後世、少年や武家の袴として白や浅葱の大口袴を独立して使うようになったため、正式な肌袴としての大口袴を特に赤大口と呼ぶこともある。『旧五代史』卷一百四十四 志六 樂志上に「服黃紗中單,皂領褾,白練〈衤蓋〉襠,白布大口袴,革帶,烏皮履,白布襪。武舞郎六十四人,分 ... 冠進賢,黃紗袍,白中單,白練〈衤蓋〉襠,白布大口袴,革帶履,左執籥,右秉翟,執纛引者二人。武 ... 甲金飾,白練〈衤蓋〉襠,錦騰蛇起梁帶,豹文大口袴,烏皮靴,左執干,右執戚,執旌引者二人。」、『旧唐書』卷二十九 志第九に「方舞四人,假髻,玉支釵,紫絲布褶,白大口袴,五綵接袖,烏皮靴。樂用鐘一架,磬一架,彈 ... 樂,工人紫羅帽,飾以鳥羽,黃大袖,紫羅帶,大口袴,赤皮靴,五色縚繩。」とある。

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