南留別志357

荻生徂徠著『南留別志』357

一 長歌、短歌といふは、いにしへにうたをうたひたるさまの、ながきとみじかきとにていへるなり。句の数にはかゝはらぬなるべし。


[解説]和歌は万葉集の頃までは句数(音数)に厳格な決まりはなく、調子がよい5音と7音を繰り返すものがおおかったが、3音、4音、6音のものもあり、一定していなかった。やがて要約する形で五七五七七(まれに旋頭歌形式)の反歌を付け加えることが多くなり、これが独立して短歌となり、これに対して従来の長いものを長歌というようになった。つまり、漢詩のように句数によって絶句や律詩、排律、古詩といった分類ではなく、単に長くうたったものを長歌、短くまとめたものを短歌というようになったのだろうとする。

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