南留別志352
荻生徂徠著『南留別志』352
一 咀を「とこふ」とよむは、咀誓の字なれば「ちかふ」といふあやまりなるべし。鬩(げき)を「せめぐ」、抑を「そもそも」といふ類も、博士家にてつくりたる詞のやうなり。
[解説]咀の字は「のろう」と読む用例が大半だが、これ以外に「とこう」と読むこともある。参考として、「「ほ」・「うら」から「ほがひ」へ」折口信夫(著)より。
うけふが後に咀(ノロ)ふの内容を持つて来た様に、此も、音韻の変化と意義分化とが並び行はれて、誓ふと咀(トコ)ふとの相違を生じる事になつたと類推する事が出来さうである。
青空文庫→https://www.aozora.gr.jp/cards/000933/files/47177_37073.html
0コメント