南留別志304

荻生徂徠著『南留別志』304

一 「ひるこ」に蛭をか(書)き、「ひるめ」に日をかけるは、本義にはあらざるなり。ふたばしら(二柱。二神)ながら「ひる」といひて、「子」と「め」(女)とにて、男女をわけたるまでなれば、元来は義おなじかるべし。


[語釈]

●ひるこ (水蛭子、蛭子神、蛭子命)は、日本神話に登場する神。蛭児とも。『古事記』において国産みの際、イザナギ(伊耶那岐命)とイザナミ(伊耶那美命)との間に生まれた最初の神。しかし、子作りの際に女神であるイザナミから先に男神のイザナギに声をかけた事が原因で不具の子に生まれたため、葦の舟に入れられオノゴロ島から流されてしまう。ひることえびす(恵比寿・戎)を同一視する説は室町時代から起こった。蛭子(ひるこ)を「えびす」と読ませるようになったのもこれによる。 

●ひるめ 日の女神の意で、天照大神(あまてらすおおみかみ)の美称。 ひるみ。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。