南留別志282
荻生徂徠著『南留別志』282
一 悔、「くゆる」といふは音なり。呉音「け」なり。「け」は「くゑ」なり。くゑんじ、へんぐゑ(変化)のごとし。
[解説]「悔」の字の訓は「く-ゆ」(く-いる)だが、音は旧仮名遣いで「クワイ」(「ワ」は小文字)。慣用音としては「ゲ」があり、懺悔(ザンゲ)という熟語でお馴染み。「変化」も旧仮名では「ヘンクワ」と表記し、「へんか」と読むが、「七変化」(しちへんげ)のように「化」を「グエ」とも読む。化は音読みのまま「化する」と読むように、「悔いる」とともに音読みがそのまま訓読みのように使われる言葉があるということを言いたいのだろう。「くゑんじ」は不詳。
0コメント