南留別志281

荻生徂徠著『南留別志』281

一 鳩を八幡の使者、猿を山王の使者といへるも、はちまんの「は」、さんわう(さんのう)の「さ」をとりていへるなるべし。鹿を春日(かすが)といふも、かもじなるべし。


[解説]徂徠は理解して説明しているわけだが、説明が明快に尽くされているとは言えず、理解し難い。八幡の「は」(八)を取り去ると「幡」が残る。これは「はた」とも読み、「やはた」の「や」を取ると「はた」が残り、「はた」と「はと」は似通っていることから、八幡と鳩とが関係ありということはなんとなく理解できる。しかし、猿や鹿については、このままの発音では一致しない。この条、未詳としておく。

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