南留別志280

荻生徂徠著『南留別志』280

一 八日、十二日を薬師の縁日といふは、「や」といふ訓の「八」に通ふと、十二神とによりてなり。外のも此類なるべし。


[語釈]

●十二神 十二神将(じゅうにしんしょう)。仏教の信仰・造像の対象である天部の神々で、護法善神。十二夜叉大将、十二神明王(じゅうにやしゃたいしょう/しんみょうおう)ともいい、薬師如来および薬師経を信仰する者を守護するとされる十二体の武神である。新薬師寺にある塑像の十二神将像がよく知られる。


[解説]八日と十二日を薬師の縁日とするのは、「やくし」の「や」と「八」(や)の読みが通じることと、十二神将を「じゅうにやしゃたいしょう」と読み、「や」があることによるというのが徂徠の見解。

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