南留別志276
荻生徂徠著『南留別志』276
一 伴系図に氏長者(うじのちょうじゃ)あり。藤氏、源氏にはかぎらぬ事なり。
[語釈]
●氏長者 平安時代以降の氏(うじ)の中の代表者の呼称。古代日本では氏上(うじのかみ、このかみ)と呼ばれていた。その氏族の中で最も官位が高い者が就任し、氏神を祭祀する氏社、先祖を弔う氏寺・菩提寺の管理権、またその財源を掌握することで氏人を統制した。保元の乱以降は藤氏長者は天皇による任命制となった。これにより天皇の保障を受けた氏長者の地位は名誉なものとみなされ、源氏長者が宣旨(せんじ)による任命を望むに至った。足利将軍家と徳川将軍家(清和源氏の新田氏の流れを汲むと自称)は武家のまま源氏長者になっている(宣旨を受けていない者あり)。
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