南留別志275

荻生徂徠著『南留別志』275

一 「しやくち」(しゃくち)といふは、赤口神なり。「ごむ日」は五墓日なり。「くゑ日」は九会日なり。「しやく日」は赤口日なり。


[語釈]

●赤口神 陰陽道において、太歳神の王都の東門の番神とされるもの。 

●五墓日 干支の戊辰・壬辰・丙辰・辛丑・乙未の日のこと。店開きそや祝い事、土を動かすのはよくない日とされる。 

●九会日 凶会日(くえにち)。事の集まる凶日。婚礼、旅行などすべてに悪日とされる。月ごとに特定の干支の日をあてる。

  正月 辛卯、庚戌、甲寅

2月 己卯、乙卯、辛酉

3月 甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、壬申、庚辰、甲申、丙申、甲辰、戊申、庚申、癸亥

4月 戊辰、己巳、辛未、癸未、乙未、己亥、丙午、丁未、丁巳、戊午、己未、癸亥

5月 丙午、壬子、戊午

6月 己巳、丙午、丁未、癸丑、丁巳、戊午、己未

7月 乙酉、甲辰、庚申

8月 己酉、乙卯、辛酉

9月 丙寅、甲戌、戊寅、甲辰、辛卯、壬辰、癸巳、甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、壬寅、庚戌、甲寅

10月 乙丑、己巳、丁丑、戊戌、丁巳、己丑、己亥、辛丑、壬子、癸丑、戊子、癸亥

11月 戊子、丙午、壬子

12月 戊子、丁未、壬子、癸亥

 なお、「九会」という字だと意味が変わってくる。九会は仏語で、真言密教で金剛界について説かれる曼荼羅(まんだら)の総称。成身(じょうじん)会・三昧耶(さんまや)会・微細(みさい)会・供養会・四印会・一印会・理趣会・降三世羯磨(ごうざんぜかつま)会・降三世三昧耶会の九つ。

●赤口日 しやくこうにち・しゃっこうにち。陰陽道の八嶽卒神(はちごくそつしん・はちごくそっしん)が支配する日であり、公事・訴訟・契約などの凶日とされる。

過去の出来事

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